ファッションとはいつの時代もひとびとの生活と切り離せないものです。たんに見栄えのする衣服を着る行為だけではなく、すべての文化的な側面に影響していくものでもあります。例えば、映画作品におけるファッションをとってもみても作品自体の真価にファッション面がとても大きく関わってくることが分かります。観客の感想に大きく影響を及ぼすのが登場人物の衣装でもありますし、どんな衣装を取り入れているかによって、作品全体の雰囲気が左右されるのでとても大切な要素です。

映画を作ろうとするときにそうした面が取りざたされるのは当然のこととも言えるでしょう。また、映画の存在それ自体がファッションとも切り離すことができません。ファッション界における流行は、そのまま映画の作品づくりに密接に関係していきます。このように衣類にまつわるデザインやカラーなどの流行は、映画をはじめさまざまな文化的なシーンに多大な影響を与えていくものです。

年に数回おこなわれるショーには、映画関係者などのほかに多様な文化的シーンを担う人々が参加して、翌年の雰囲気をざっくりとつかみ取ろうとしています。デザイナーが開くパーティーなどにはいろいろな分野から参加者が訪れるのも関心の高さを示していると言えるでしょう。デザインというと、建築、工業デザイン、アート、または音楽も含めてたくさんの隣接分野が関与してきます。そして、互いに影響し合うなかで、流行の空気感そのものが生み出されていくのです。