ファッションと絵画の関係

ファッションと絵画はかなり近い、密接した関係にあります。毎年、翌年の流行色がファッション界から発表されるとそれを受けてファッションデザイナーなどは、コレクションの企画を考え始めます。では、こうした流行色はどこで決定されるのでしょうか。アート界のなかでも特に、絵画作品はカラーを選考する際にかなり参考にされています。

現代美術における絵画には、そのときどきの時代に合ったカラーが使われ、作品が生み出されます。画家は、魂を削るような思いをしながら作品制作に携わるので、そこから表出されたカラーにはかなり重みがあります。ファッション界はそのようにして産み出された作品から刺激を受けて、次の流行へとつなげていくわけです。そのため、デザイナーはときおり美術館に足を運び、その時代の雰囲気を感じ取ろうと努力します。

そこから新たなコンセプトが生まれ、また素晴らしいデザインへと繋がり、わたしたちが衣服として手にすることができるのです。では画家は絵画をどう描いていくのでしょうか。画家にとっては逆にストリートにおける流行や時代の香りがインスピレーションのもとになっていることが多いです。現代美術家は、アトリエに独りで閉じこもって、延々と悩みながら描き続けるのではなく、ストリートにただよう雰囲気などからひらめきを得て作品づくりをします。

つまり、画家と洋服を着る私たちの関係は一方通行ではなくループしているということが分かります。

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